【Primaveraに降る雪】 28 ラキ編 5
「・・・ラキ、 私・・・ まだちょっと動けそうにありません」
「・・・まだ痛いか」
「いいえ 勃ちそうで・・・」
「俺の血返せっ!!! 吐けっ!! どこに血集めてんだてめーはっ!!」
復活した途端これだ。
いきなりウザくなったが、この感じならもう大丈夫だろう。
怒鳴りながらも頭を叩きたくなった衝動をぐっと我慢した。
「ああ・・・ やはりラキの血は格別ですね こんなに綺麗に塞がるとは・・・」
「・・・・・そうか」
「段々と力も・・・ ほら、私の手、暖かくなってきたでしょう」
「元々冷てぇから分かんねえよ・・・」
「・・・ラキ 後悔してませんか?」
「しねえし、その お前の腹の傷だって、俺が悪いんだから、今度は俺が助けんのが当たりま・・・」
「いいえ 私が勝手に飛び出して勝手に怪我をしたのです。 マスターでは無い貴方には関係の無い事でしたのに、こんな得体の知れない世界で、私を探し回って、その上助けてくださるなんて・・・ 申し訳ありませんでした」
跪いて、血の滲むラキの左手を両手で包み込み、苦しそうに話すシン。
力が弱まりながらも気付かれないように姿を変えてラキを見守っていた。
怪我をして動けなくても常にラキの事を心配していた。
怒鳴るラキに「無事でよかった」と微笑んだ。
「・・・ なんで いつも俺の事ばっかなんだよ・・・。俺、あんな酷い事言ったのに・・・。
勝手にお前の前から逃げたのに・・・。何で・・・。弱くて、いつまでも守ってもらってばっかりで・・・。
いつもいつも・・・俺・・・」
「・・・ラキ」
右手をきつく握って震えながら、もっとたくさん言いたいことがあるのに、言葉が出て来ない。
それでも必死に伝えようとするラキを、シンはグイッと引き寄せて抱き締めた。
ラキの「何で」と言う問いに また答えずに微笑みながら無言で更に強く抱き締める。
「ラキ、順序が逆になってしまいましたが・・・ どうしますか」
「・・・・ん、うん・・・ シン」
「はい」
「もう一・・・度・・・ んぐ・・・っ 待て、ちょっ・・・ 苦し・・・ 離せ・・・っ」
シンの腕の中からもぞもぞと這い出して ぷはっ と息を吐く。
腕の中から居なくなったラキを追ってシンも静かに立ち上がり、彼をベッドに座らせた。
ラキの足元に再び膝を突いて下から彼を見上げると、黙って次の言葉を待つ。
銀色に煌めく綺麗な瞳をじっと見ながら、ラキは彼の名を呼び直した。
「シン、もう一度・・・ 契約してもいいか」
「勿論ですよ」
「俺には・・・ お前の力が・・・ お前・・・が、必要だから」
「はい ・・・では、契約内容は・・・」
「・・・・・・し、」
「死ぬまで俺の傍にいろよ」「死ぬまで貴方の傍に居させてください」
「・・・・はっ!?」
「くくく・・・」
思い切って言った言葉が、タイミングも内容もシンと丸かぶりで驚いてしまった。
静まり返る部屋の中でシンの笑い声だけが響いている。
「畏まりました。 また、よろしくお願い致します マスター♡」
嬉しそうに笑うシン。
その彼の白銀の瞳が、中心からじわじわと色を変えてほんのり光りながら懐かしい深紅の色に染まった。
よかった・・・。 二度目でもちゃんと契約ができた。
見慣れた真っ赤な瞳を見て、さっきまでの不安な気持ちが消え去り、笑うシンにつられてラキもいつの間にか素直に微笑んでいた。
「・・・まだ痛いか」
「いいえ 勃ちそうで・・・」
「俺の血返せっ!!! 吐けっ!! どこに血集めてんだてめーはっ!!」
復活した途端これだ。
いきなりウザくなったが、この感じならもう大丈夫だろう。
怒鳴りながらも頭を叩きたくなった衝動をぐっと我慢した。
「ああ・・・ やはりラキの血は格別ですね こんなに綺麗に塞がるとは・・・」
「・・・・・そうか」
「段々と力も・・・ ほら、私の手、暖かくなってきたでしょう」
「元々冷てぇから分かんねえよ・・・」
「・・・ラキ 後悔してませんか?」
「しねえし、その お前の腹の傷だって、俺が悪いんだから、今度は俺が助けんのが当たりま・・・」
「いいえ 私が勝手に飛び出して勝手に怪我をしたのです。 マスターでは無い貴方には関係の無い事でしたのに、こんな得体の知れない世界で、私を探し回って、その上助けてくださるなんて・・・ 申し訳ありませんでした」
跪いて、血の滲むラキの左手を両手で包み込み、苦しそうに話すシン。
力が弱まりながらも気付かれないように姿を変えてラキを見守っていた。
怪我をして動けなくても常にラキの事を心配していた。
怒鳴るラキに「無事でよかった」と微笑んだ。
「・・・ なんで いつも俺の事ばっかなんだよ・・・。俺、あんな酷い事言ったのに・・・。
勝手にお前の前から逃げたのに・・・。何で・・・。弱くて、いつまでも守ってもらってばっかりで・・・。
いつもいつも・・・俺・・・」
「・・・ラキ」
右手をきつく握って震えながら、もっとたくさん言いたいことがあるのに、言葉が出て来ない。
それでも必死に伝えようとするラキを、シンはグイッと引き寄せて抱き締めた。
ラキの「何で」と言う問いに また答えずに微笑みながら無言で更に強く抱き締める。
「ラキ、順序が逆になってしまいましたが・・・ どうしますか」
「・・・・ん、うん・・・ シン」
「はい」
「もう一・・・度・・・ んぐ・・・っ 待て、ちょっ・・・ 苦し・・・ 離せ・・・っ」
シンの腕の中からもぞもぞと這い出して ぷはっ と息を吐く。
腕の中から居なくなったラキを追ってシンも静かに立ち上がり、彼をベッドに座らせた。
ラキの足元に再び膝を突いて下から彼を見上げると、黙って次の言葉を待つ。
銀色に煌めく綺麗な瞳をじっと見ながら、ラキは彼の名を呼び直した。
「シン、もう一度・・・ 契約してもいいか」
「勿論ですよ」
「俺には・・・ お前の力が・・・ お前・・・が、必要だから」
「はい ・・・では、契約内容は・・・」
「・・・・・・し、」
「死ぬまで俺の傍にいろよ」「死ぬまで貴方の傍に居させてください」
「・・・・はっ!?」
「くくく・・・」
思い切って言った言葉が、タイミングも内容もシンと丸かぶりで驚いてしまった。
静まり返る部屋の中でシンの笑い声だけが響いている。
「畏まりました。 また、よろしくお願い致します マスター♡」
嬉しそうに笑うシン。
その彼の白銀の瞳が、中心からじわじわと色を変えてほんのり光りながら懐かしい深紅の色に染まった。
よかった・・・。 二度目でもちゃんと契約ができた。
見慣れた真っ赤な瞳を見て、さっきまでの不安な気持ちが消え去り、笑うシンにつられてラキもいつの間にか素直に微笑んでいた。