【Primaveraに降る雪】 17 ラキ編 2
「くっそ 駄目だ分かんねぇ・・・ 俺がまだ未熟だからか・・・ それともシンが弱ってるから・・・」
いくら集中してもシンの気配を探れなくて、どこに居るのか、この広い校舎の中予想もつかない。
癪だけど・・・ あのガキに聞いてみるか・・・。
この世界で唯一自分が知ってる人物。さっき階段を駆け上がって行ったカイトを追いかける事にした。
多分誰かに逢いに行ったんだろう。
もしかしたらそれはシンかもしれない。
正直、カイトと会って普通に話せるかどうか分からないけど、ここでじっとしてるよりは遥かにマシだ。
「確か、ここの階段上ってったよな・・・ 屋上か?」
階段を眺めながら小さくその場で跳ねると左足で廊下を蹴って凄い速さで駆け上がる。
走って走って気が付くと三階の廊下の突き当たりに着いた。
「あれ?」と二回瞬きをして少し戻って角を曲がる。
「図書室」「音楽室」「放送室」・・・を通り過ぎて、「理科室」に辿り着くといつの間にか一階に居た。
「あれ?」と三回瞬きしてまた少し戻って長い廊下を右に曲がってみる。
「っかしーな・・・。 階段てどこだっけ・・・。」
職員室の扉を横目で見ながらその先の角を少しだけ曲がる。
「宿直室」「用務員室」「資料室」・・・一番奥の「保健室」に来た所でラキの身体がピクッと反応した。
何か居る・・・。 人間の気配じゃない・・・。 まさか・・・。
じ・・・っと保健室を凝視して、焦る気持ちを抑えながら静かに扉を開けてみる。
中は薄暗くて、電気も点いてなくて、全ての窓には遮光カーテンがしっかりと引いてあった。
誰も居ない机の上には何かの資料が乱雑に広げてあって、その横には背の高い四角い薬の棚と水道。
大きな校舎なだけあって、保険医の机の反対側にはシングルサイズの空のベッドが規則正しく幾つも置いてある。
「・・・ ・・・ シン・・・ ?」
その独特の雰囲気に少し戸惑いながらもシンの姿を探して 一歩、中に踏み込んだ。
机に手を突いてキョロキョロと見回して、もう一度彼の名を呼んでみる。
すると真ん中のベッドの脇で何かが動くのが見えた。
ラキはその黒い影に近付くと膝を突いて覗き込んだ。
「・・・ラキ」
「――――っ!! シンッ!! おま・・・ぇ、 何してんだよっ! こんの馬鹿っ!!」
見つけた!こんな所に居たんだ。
一際暗いベッドとベッドの間の隙間に隠れるように、床に座り込んでいるシン。
俯いているのに加え、銀糸の髪が遮って余計表情が窺えない。
「・・・良かった・・・ 無事だったんですね・・・ 心配してました・・・」
「それはこっちの台詞だっつの・・・ 何だよその耳と尻尾はよ・・・」
「元に・・・戻りきらなくて・・・ 少しここで休んでいました」
やっぱりあの狼はシンだったんだ。
人の姿に黒い耳と尻尾が出っ放しで力無くだらんとしている。
「お前・・・――――――っ! ~~~~!!」
言いたいことがたくさんあり過ぎて言葉に詰まる。
そんなラキの様子に シンは薄く笑うと掠れた声で呟いた。
「・・・ラキに心配かけて ・・・その上 逆に私を探させてしまうなんて・・・ やはり、下僕(いぬ)失格ですね・・・」
暗闇の中で俯いたまま、途切れ途切れに話すシンを見て、ラキの拳が小さく震える。
「見つけてくれて ありがとう・・・」と謝罪するように呟いて、顔を上げた彼の瞳には力がまるで入っていなかった。
いくら集中してもシンの気配を探れなくて、どこに居るのか、この広い校舎の中予想もつかない。
癪だけど・・・ あのガキに聞いてみるか・・・。
この世界で唯一自分が知ってる人物。さっき階段を駆け上がって行ったカイトを追いかける事にした。
多分誰かに逢いに行ったんだろう。
もしかしたらそれはシンかもしれない。
正直、カイトと会って普通に話せるかどうか分からないけど、ここでじっとしてるよりは遥かにマシだ。
「確か、ここの階段上ってったよな・・・ 屋上か?」
階段を眺めながら小さくその場で跳ねると左足で廊下を蹴って凄い速さで駆け上がる。
走って走って気が付くと三階の廊下の突き当たりに着いた。
「あれ?」と二回瞬きをして少し戻って角を曲がる。
「図書室」「音楽室」「放送室」・・・を通り過ぎて、「理科室」に辿り着くといつの間にか一階に居た。
「あれ?」と三回瞬きしてまた少し戻って長い廊下を右に曲がってみる。
「っかしーな・・・。 階段てどこだっけ・・・。」
職員室の扉を横目で見ながらその先の角を少しだけ曲がる。
「宿直室」「用務員室」「資料室」・・・一番奥の「保健室」に来た所でラキの身体がピクッと反応した。
何か居る・・・。 人間の気配じゃない・・・。 まさか・・・。
じ・・・っと保健室を凝視して、焦る気持ちを抑えながら静かに扉を開けてみる。
中は薄暗くて、電気も点いてなくて、全ての窓には遮光カーテンがしっかりと引いてあった。
誰も居ない机の上には何かの資料が乱雑に広げてあって、その横には背の高い四角い薬の棚と水道。
大きな校舎なだけあって、保険医の机の反対側にはシングルサイズの空のベッドが規則正しく幾つも置いてある。
「・・・ ・・・ シン・・・ ?」
その独特の雰囲気に少し戸惑いながらもシンの姿を探して 一歩、中に踏み込んだ。
机に手を突いてキョロキョロと見回して、もう一度彼の名を呼んでみる。
すると真ん中のベッドの脇で何かが動くのが見えた。
ラキはその黒い影に近付くと膝を突いて覗き込んだ。
「・・・ラキ」
「――――っ!! シンッ!! おま・・・ぇ、 何してんだよっ! こんの馬鹿っ!!」
見つけた!こんな所に居たんだ。
一際暗いベッドとベッドの間の隙間に隠れるように、床に座り込んでいるシン。
俯いているのに加え、銀糸の髪が遮って余計表情が窺えない。
「・・・良かった・・・ 無事だったんですね・・・ 心配してました・・・」
「それはこっちの台詞だっつの・・・ 何だよその耳と尻尾はよ・・・」
「元に・・・戻りきらなくて・・・ 少しここで休んでいました」
やっぱりあの狼はシンだったんだ。
人の姿に黒い耳と尻尾が出っ放しで力無くだらんとしている。
「お前・・・――――――っ! ~~~~!!」
言いたいことがたくさんあり過ぎて言葉に詰まる。
そんなラキの様子に シンは薄く笑うと掠れた声で呟いた。
「・・・ラキに心配かけて ・・・その上 逆に私を探させてしまうなんて・・・ やはり、下僕(いぬ)失格ですね・・・」
暗闇の中で俯いたまま、途切れ途切れに話すシンを見て、ラキの拳が小さく震える。
「見つけてくれて ありがとう・・・」と謝罪するように呟いて、顔を上げた彼の瞳には力がまるで入っていなかった。
拍手&コメントありがとうございます!
K様
変態紳士は頑丈なので「まもる」が使えます♪
ラキも一応強いですw(シンがバカ強いのでラキの強さが目立たないけどww)
火遁も土遁も分身もその気になればできますとも♬
FF4やりたくなってきたw
K様
変態紳士は頑丈なので「まもる」が使えます♪
ラキも一応強いですw(シンがバカ強いのでラキの強さが目立たないけどww)
火遁も土遁も分身もその気になればできますとも♬
FF4やりたくなってきたw
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コメント一覧
発見!
- 発見!
ちゃんと紳士の気配を感じたラキくんにバンザイ!!
変態紳士の元気がないのは心配だけど、そんな弱ってるのに下僕と書いていぬ、だもん。
弱っていても変態。そんな紳士が大好きだと思いました。
違う世界から「学校」ってものを見てみると、変な部屋が一杯の不思議世界だね。
癒しの保健室すら謎の空間に見えるよ。
変態紳士の元気がないのは心配だけど、そんな弱ってるのに下僕と書いていぬ、だもん。
弱っていても変態。そんな紳士が大好きだと思いました。
違う世界から「学校」ってものを見てみると、変な部屋が一杯の不思議世界だね。
癒しの保健室すら謎の空間に見えるよ。
Re: 発見!
- Re: 発見!
いつもコメントありがとうございます!!!
お返事遅くなってごめんなさい!!!
なんとかシンを発見♪
変態シン士は心配かけたくなくて 下僕 とか言ってるけどどう見ても元気ないすよねw
確かに知らない字がずらっと並んでる建物内は何だか異様な雰囲気がしますw
アースは全く気にせずにズカズカ歩き回ったけどwww
次はどうなるかな~?(≧∇≦)
お返事遅くなってごめんなさい!!!
なんとかシンを発見♪
変態シン士は心配かけたくなくて 下僕 とか言ってるけどどう見ても元気ないすよねw
確かに知らない字がずらっと並んでる建物内は何だか異様な雰囲気がしますw
アースは全く気にせずにズカズカ歩き回ったけどwww
次はどうなるかな~?(≧∇≦)