【Primaveraに降る雪】 5
「ありがとじゃねぇよ 何してんのかって言ってんだよ お前、依頼書は・・・」
「ぁ・・・ えーと・・・まだ」
「ったく 何でもいいから請けとかねぇと今日の宿代払えねぇぞ 腹も減ったし・・・」
「うん ごめん・・・」
わざとらしく溜め息をついてカイトの肩に手を置いたまま、ジロ・・・とシンを見る。
バチッと視線が交わって少し驚いたシンだったが、動揺することなくニッコリと微笑んだ。
そのまま数秒目を合わせて動かないふたり。
訳が分からずアースとシンの顔を何度も見直すカイトを無視して、頭の上から声を掛ける。
「・・・誰だ? ・・・おい あんたこいつに何か用か」
「いいえ カイトが私に興味を持って頂いたようなので少しお話を・・・」
「そうだアース! シンて凄いんだよ♬ にんげ・・・」
「お前は黙ってろ。 俺達ちょっと旅の資金稼ぎで忙しいんだよ 折角だけどそろそろお開きにしたらどうだ」
ゆっくりとした口調で口元にも笑みを浮かべてはいるが、目は鋭いまま完全にシンに敵意を向けている。
ギルドは本来世界中から集まってくる依頼を自分のレベルに合わせて請け負い、報酬を貰う場所だ。
依頼書も持たずのんびりと腰掛けて話をしている事自体 周りの者から見れば異様な光景に映るのは言うまでも無い。
商売敵を睨み付けるなんてのはここでは当たり前のことだ。
まぁ この男の場合 それだけでは無いのでしょうけどね・・・。
「それは残念ですね とても楽しかったのに。 貴方は何か気に入った依頼を見つけてきたのですか?
まだでしたらもう少しここでカイトの相手をして差し上げても構いませんが・・・」
「いらねぇよ こいつもこいつでやる事あんだからな 邪魔すんな」
「アース 俺から話し掛けたんだよ シンは悪くないよ」
「お前な・・・ 誰にでも簡単に話し掛けんじゃねぇよ・・・ もういい こっち来てろ 俺が終わるまで後ろで待ってな」
「んー・・・ んじゃ俺もそっちの棚探すの手伝う♪」
「お前には難しくて無理だよ」
「それなら私がカイトと一緒にこっちの壁側の依頼を探して差し上げますよ」
「いらねぇっつの 邪魔だ けーれ」
「アース・・・ シンが手伝ってくれるって言ってんだしさ」
「あのなぁ・・・ 何で他人と仲良く仕事探しすんだ・・・ 頭使え」
アースの服の裾をクイクイと引っ張って困った顔で見詰めてくるカイト。
本人にそのつもりは無くてもシンを庇ってるように見えて、それがアースには気に入らない。
「そんなにカイトと私が仲良くするのが気に障りますか」
「ぁあ?」
シンはクク・・・と笑うと、睨まれたお返しとでも言うようにアースを挑発する。
言われたアースは眉をピクリと動かして再びシンを睨んだ。
「なら ちゃんと見ててあげないとねぇ そのうち誰かに貰われちゃいますよ」
「・・・へぇ お前とか?」
「そうですね 私でよければ頂いていきますけど・・・ カイトって素直で真っ直ぐでちっちゃくて とても可愛らしい子ですから」
「ええええ!? シン何言ってんの!?」
「マジで何言ってんだお前 馬鹿か」
「ありがとうございます♡」
まさかの感謝の言葉にカイトもアースも絶句する。
シンだけが嬉しそうにニコニコ笑っていた。
「カイト こういう変な奴とは特に喋っちゃ駄目だ 脳がやられんぞ」
「え?え? そうなのか? 見るだけならいい?」
「駄目だ 目から脳にくるから見るな ・・・っつーことだから シン・・・っつったか お前もうマジでけーれ!邪魔だっつの」
「いいえ 私もまだやる事が残っていますので。 ほら 今まで貴方が居た場所、そこに用がね・・・」
「・・・・」
カウンターの椅子に腰掛けて頬杖をついて、向こうを指差すシン。
その意味を知るアースの目付きがまた鋭くなった。
カイトの頭には「?」がたくさん浮かんでいる。その頭をアースの大きな掌が掴んでグイッと自分の後ろへ隠す。
「・・・そこなんでしょう? ・・・通称 ”裏ギルド” 私たちは主にそちらを中心に契約しているもので・・・」
「っせーな・・・ 余計な事喋んじゃねぇよ 本気で潰すぞ」
「そうですね 失礼しました。 可愛いカイトには関係の無い事ですからね。」
「・・・・・」
苛立つ瞳でシンを睨んでいたアースの視線がふとそこからずれる。
アースの後ろからこちらを覗いていたカイトも 彼と同じ場所を見詰めた。
「・・・どうしました? また何か失言を・・・?」
「てめぇは存在自体が失言じゃねぇか・・・」
―――――・・・・・!!!!!
こ、ここここここの愛しいお声は・・・・・っ!!!
「ぬゎにをしてんだ!!!! こんの腐れ吸血鬼がぁぁぁぁああああああああああああっっ!!!!」
「ラキィィィィ-------------ッッ!!!!!」
「ぁ・・・ えーと・・・まだ」
「ったく 何でもいいから請けとかねぇと今日の宿代払えねぇぞ 腹も減ったし・・・」
「うん ごめん・・・」
わざとらしく溜め息をついてカイトの肩に手を置いたまま、ジロ・・・とシンを見る。
バチッと視線が交わって少し驚いたシンだったが、動揺することなくニッコリと微笑んだ。
そのまま数秒目を合わせて動かないふたり。
訳が分からずアースとシンの顔を何度も見直すカイトを無視して、頭の上から声を掛ける。
「・・・誰だ? ・・・おい あんたこいつに何か用か」
「いいえ カイトが私に興味を持って頂いたようなので少しお話を・・・」
「そうだアース! シンて凄いんだよ♬ にんげ・・・」
「お前は黙ってろ。 俺達ちょっと旅の資金稼ぎで忙しいんだよ 折角だけどそろそろお開きにしたらどうだ」
ゆっくりとした口調で口元にも笑みを浮かべてはいるが、目は鋭いまま完全にシンに敵意を向けている。
ギルドは本来世界中から集まってくる依頼を自分のレベルに合わせて請け負い、報酬を貰う場所だ。
依頼書も持たずのんびりと腰掛けて話をしている事自体 周りの者から見れば異様な光景に映るのは言うまでも無い。
商売敵を睨み付けるなんてのはここでは当たり前のことだ。
まぁ この男の場合 それだけでは無いのでしょうけどね・・・。
「それは残念ですね とても楽しかったのに。 貴方は何か気に入った依頼を見つけてきたのですか?
まだでしたらもう少しここでカイトの相手をして差し上げても構いませんが・・・」
「いらねぇよ こいつもこいつでやる事あんだからな 邪魔すんな」
「アース 俺から話し掛けたんだよ シンは悪くないよ」
「お前な・・・ 誰にでも簡単に話し掛けんじゃねぇよ・・・ もういい こっち来てろ 俺が終わるまで後ろで待ってな」
「んー・・・ んじゃ俺もそっちの棚探すの手伝う♪」
「お前には難しくて無理だよ」
「それなら私がカイトと一緒にこっちの壁側の依頼を探して差し上げますよ」
「いらねぇっつの 邪魔だ けーれ」
「アース・・・ シンが手伝ってくれるって言ってんだしさ」
「あのなぁ・・・ 何で他人と仲良く仕事探しすんだ・・・ 頭使え」
アースの服の裾をクイクイと引っ張って困った顔で見詰めてくるカイト。
本人にそのつもりは無くてもシンを庇ってるように見えて、それがアースには気に入らない。
「そんなにカイトと私が仲良くするのが気に障りますか」
「ぁあ?」
シンはクク・・・と笑うと、睨まれたお返しとでも言うようにアースを挑発する。
言われたアースは眉をピクリと動かして再びシンを睨んだ。
「なら ちゃんと見ててあげないとねぇ そのうち誰かに貰われちゃいますよ」
「・・・へぇ お前とか?」
「そうですね 私でよければ頂いていきますけど・・・ カイトって素直で真っ直ぐでちっちゃくて とても可愛らしい子ですから」
「ええええ!? シン何言ってんの!?」
「マジで何言ってんだお前 馬鹿か」
「ありがとうございます♡」
まさかの感謝の言葉にカイトもアースも絶句する。
シンだけが嬉しそうにニコニコ笑っていた。
「カイト こういう変な奴とは特に喋っちゃ駄目だ 脳がやられんぞ」
「え?え? そうなのか? 見るだけならいい?」
「駄目だ 目から脳にくるから見るな ・・・っつーことだから シン・・・っつったか お前もうマジでけーれ!邪魔だっつの」
「いいえ 私もまだやる事が残っていますので。 ほら 今まで貴方が居た場所、そこに用がね・・・」
「・・・・」
カウンターの椅子に腰掛けて頬杖をついて、向こうを指差すシン。
その意味を知るアースの目付きがまた鋭くなった。
カイトの頭には「?」がたくさん浮かんでいる。その頭をアースの大きな掌が掴んでグイッと自分の後ろへ隠す。
「・・・そこなんでしょう? ・・・通称 ”裏ギルド” 私たちは主にそちらを中心に契約しているもので・・・」
「っせーな・・・ 余計な事喋んじゃねぇよ 本気で潰すぞ」
「そうですね 失礼しました。 可愛いカイトには関係の無い事ですからね。」
「・・・・・」
苛立つ瞳でシンを睨んでいたアースの視線がふとそこからずれる。
アースの後ろからこちらを覗いていたカイトも 彼と同じ場所を見詰めた。
「・・・どうしました? また何か失言を・・・?」
「てめぇは存在自体が失言じゃねぇか・・・」
―――――・・・・・!!!!!
こ、ここここここの愛しいお声は・・・・・っ!!!
「ぬゎにをしてんだ!!!! こんの腐れ吸血鬼がぁぁぁぁああああああああああああっっ!!!!」
「ラキィィィィ-------------ッッ!!!!!」
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No title
- No title
うわー、変態だ。変態紳士の変態っぷりが眩しい!!
裏ギルドとか難しいこと言ってるくせにヘンタイ!!
アースさんの自分では気づいてないジェラシィが何ともくすぐったいです。ムフフ。
裏ギルドとか難しいこと言ってるくせにヘンタイ!!
アースさんの自分では気づいてないジェラシィが何ともくすぐったいです。ムフフ。
Re: No title
- Re: No title
あはははははwww ナルミ先生の反応が面白いですwww
お話を書いててよかったな~って思うっす(≧∇≦)
もっと罵倒してっ!!!。+゚(*´∀`*)。+゚
アースのジェラシーにも気付いてくれてありがとうございまっす♪
次もジェラシー続きますよ~~(* ´З`*)
お話を書いててよかったな~って思うっす(≧∇≦)
もっと罵倒してっ!!!。+゚(*´∀`*)。+゚
アースのジェラシーにも気付いてくれてありがとうございまっす♪
次もジェラシー続きますよ~~(* ´З`*)
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