【Bad Flower Garden】 さん

「飴なんか喰うの久しぶりだ・・・」(イライラ)
「んまいだろー♪ それ俺のお気に入りのチュッパだから んまいだろー♪」
「半分溶けてて気持ちわりぃ・・・」(イライラ)
「ポケット入れっぱだったからなぁ でもんまいだろー♪」
「はいはい 悪かったよ お前の大好物貰っちまって・・・」(イライラ)
「いいよ♪ 後でお菓子屋探すから」
宿で 濡れた頭と体を拭いて、途中で買ったパーカに着替え、近くの酒場に入ったカイトとアース。
空腹と禁煙でイライラするアースにカイトは自分のおやつを分けてあげた。
「・・・くっそ メシ喰ったら前の街戻るか 腹一杯なら本気出せばそんなに時間掛かんねぇし」
「え 戻るの?」
「お前はここに居ろよ 俺1人の方が速ぇ」
「駄目だよ もうすぐ夕方だよ 夜になったら外に出ない方がいいって教えてくれたのアースじゃん」
「俺は強ぇからいいんだよ」
「宿だって2人分取ったし 街も綺麗だし、せっかくだからのんびりしようよー」
「のんびりできるか あっちこっちに咲いてる花の匂いが強すぎるっつの。甘ったるくて気分悪いわ。
・・・ん、メシが来た 金はあるから吐くまで喰ってやる」
「はーい!おまちどー! チェリーブロッサム名物、花包みミートパイだよ!」
「うわー! んまそー!名物だって!」
「また花かよ・・・」
これまたガタイのいい男が似合わない花柄のエプロンを巻いて料理を運んできた。
「にーちゃんたち 旅人さんかい? よく来たね! 青い髪のにーちゃん大分イライラしてるなぁ はっはっは!」
「・・・まぁな」
「大方 煙草が吸えなくてイラついてんだろう はっはっは!」
「おっちゃん よく分かったねぇ♪ 」
「この街は 見たとおり花に囲まれてるだろう 昔からこの気候が植物を育てるのに最適らしくてね、
ほとんどの住民が、自分で育てた花を売った利益で生活をしてるくらいだ!
火事なんか起こっちゃ堪んないからね!ちょっと厳しい規則かもしれないけど我慢してやってくれ!
お詫びにビールを1杯サービスするからさ!はっはっは!」
「ありがと おっちゃん! 良かったねアース ビール貰えたよ♪ はい、俺の分もあげるね」
「・・・・・・・しょうがねぇな 今日は早目に宿戻ってたんまり飲んで寝ちまうか」
「うんうん その方がいいよ さぁたっぷり喰ってってくんな! はっはっは!」
「しっかしこの店はおっさんばっかだな 若いねーちゃんはいねぇのか」
「はっはっは! うちの店は深夜までやってるからね! 体力のある男しかいないよっ!
良ければ俺がお酌してやろうかにーちゃん」
「いらねー」
「はっはっは!」
「んまー!! これんまー♡ 俺この花のオムレツ気に入った!! おっちゃんおかわりー♪」
「また花かよ・・・」(うんざり)
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
「あれ?アースも行くのか?お菓子屋・・・」
「ん・・・ 何かしてた方が気が紛れんだよ 飴買いに行くぞ」
「チュッパあるかなー」
「・・・この辺はまた違う花なのか ここの方がまだ匂いがマシだな」
信じられないくらいの量の料理を掻っ込み満腹になったふたり。
食後の一服が最高の至福の時なのにそれができなくて、アースはますます不機嫌になる。
新しいパーカのポケットに、生地が伸びてしまうくらい力を込めて両手を突っ込むと、お菓子屋に向かうカイトの後ろを付いて行く。
「アース!チュッパあった!何味がいい?」
「んー・・・ 甘くねぇやつっつってもどれも甘いんだよな・・・」
「らっしゃい!にーちゃんたち!ん?この辺のもんじゃないね どうだいこの街は!綺麗だろう」
「うん 色んな花があっていいな♪ 川も綺麗だし向こうにでっかい水車もあったし、俺は楽しいぞ!」
「はいはい 楽しい楽しい」
「色々見て廻るといいよ 煙草は吸えないけどね」
「・・・・・分かってるよ 吸いたくても無ぇよ」
「おっちゃん これとこれとそれと あとあれもちょーだい♪」
「はいよ」
「この街はおっさんしかいねぇのか・・・ 街は綺麗でも住んでる奴が汚ぇよ・・・」
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