【トイカ】12
この間のくだらねぇ大会をしきってる事務局とかいう奴の場所は宿屋の親父に訊いたら一発で分かった。
このバカでけぇ街の一番バカでけぇ建物で、すぐ着いたのはいいもののどこから入るのか入り口を探して無駄にグルッと歩いちまった。
適当に中をうろついて偉そうな奴を探してたらでけぇ扉の奥から話し声が聞こえてくる。
鍵が掛かってるらしく押しても開かなくてノックしても返事が無いのでしょうがなく普通に入ったら、
おーおー、いるいる・・・。
真面目そうなおっさんらと、・・・・・変な頭のおっさんが。
・・・ こいつ確か大会ん時ステージの上で仕切ってた司会のおっさんだよな。
なんだ・・・? 頭半分暑いのか・・・
「何だい? 突然入って来て、乱暴だねぇ。 怪我人は居ないか?」
「・・・お前、この中で一番偉そうだな。随分舐めた真似してくれんじゃねぇか」
「何の事だい? ・・・・! そうか・・・ 使ったんだねそれ」
「・・・やっぱ知ってんのか」
俺の後ろに背負ってる瑠璃色の弓を視界に捉えた途端、何かを察したように顔色が変わる。
思った通り、この弓が呪われてるって最初から知ってて大会の優勝賞品にしてやがった。
頭の奥がヂリヂリと熱い。
言葉を続けようと口を開くと半分とっ散らかったその頭が先に声を出した。
「・・・? でも君は何ともなさそうだねぇ。先日大会で見た君のままだ」
「俺んじゃねぇからな」
「という事は別の子が・・・? それは気の毒に・・・」
「ふざけんなこら どういうつもりだ こんな不良品寄越しやがって」
「まぁまぁ、そんな怖い目で見ないでくれ。その弓はここの地下倉庫に保管されていたものでね。見付けた時にそれには気付いていたんだが今年の大会の賞品がどうしても間に合わなくてねぇ。ついやっちゃった」
「やっちゃったじゃねぇよ 解けよ呪い」
「私としても出来る事ならもちろんそうしたいが・・・どうにもややこしい術式らしくて無理だったんだ。だが数多の猛者の頂点に立つ者ならもしや解けるのではと思って出してみたんだが・・・、あんなに断トツに強い君達でもどうにもならなかったのかい。残念だな・・・無理なら期待させないでくれ。」
「自分家から出てきた問題を人任せにすんじゃねぇ んで何でちょっと俺たちが悪いみたいになってんだよ」
耳から大量の毛を生やして真顔で遺憾の意を示されて、言われたこっちも遺憾だよ。
「こんなん使えねぇから返すわ それか他のと交換しろよ何かあんだろこんだけでけぇ街なんだからよ」
「いいのかい手放して。呪われてはいるがそれは確かに幻の弓だ。世界が認める最高傑作なのは確かだよ。弓を扱う者なら一度試すだけでその凄さがよく分かったはずだ。・・・それに君達は弓を手に入れるのが目的であの大会に参加したんじゃなかったかな」
最高傑作? この弓が?
カイトがあの時目玉をキラキラさせてたのはそういう事だったのか・・・
呪いの効果かと思ってた・・・
「誰が呪われた装備品を欲しがるんだよ お前ただ単にこの弓押し付けたいだけだろ」
「そうかもしれないね」
開き直る所か返品を受け付けねぇとかどんなクソ組織だっつの
・・・・でもこの弓、確かにあいつ気に入ってたみてぇだし ・・・・。
・ ・ ・ 面 倒 臭 ぇ
あ、そうだ
「じゃぁいいわ・・・ おい、黒い花寄越せよ あるだろここに」
「ん・・・?」
「大会ん時集めてたあの花だよ どこにある」
「無駄だよ」
「あ゛?」
「どこぞで魔除けの効果がある事を聞いてきたんだろう? なるほど何も考えずにここまで来た訳では無さそうだね」
「・・・・」
「確かにトルティリリアには解呪の効果がある。だがそんな事は旅人の君より我々の方があの花についてよく知っているんだよ。・・・試さなかったと思うかい?」
・・・つまり、その花でも呪いは解けなかったって事か
・・・・ しかし腹立つなこの喋り方・・・
「いいから寄越せ 俺がやる」
「まぁ自分で試した方が納得するだろうね。でも残念な事にあの花の成分は魔物にも効果があるのでね、全て加工して街の周囲に散布済みだ」
「は?」
「だからここはおろかこの街のどこにも一本も残っていないよ」
「はぁあ゛??」
「来年になったらまた咲くからそれまで待つかい?」
「待てるかっ」
「そうか・・・ いやぁ無駄足ご苦労だったね。いらないならどこかの武器屋に売ってきたらどうだい?呪われてはいるが名のある弓だ。それなりに高値で引き取ってくれるだろう。手放して暫くしたら呪いも解けるかもしれないよ」
なんだそれ
な ん だ そ れ
まさか・・・
「・・・・じゃあ、この呪いかけた奴は誰だ 俺がそいつに解かせてやる」
「知るわけないだろう」
「心当たりは? お前らなら山ほどあんだろが」
「あったら既に行動しているよ 我々は綺麗な会社だからね 恨まれるような事はしていない。よって誰がこの呪いをかけたかさっぱり分からないんだ」
まさか・・・
嫌な予感が全部当たる・・・だと・・・
・・・でも正直、そんな気はしてたんだ
昔からそういう「気」がする時は大抵当たる
こんな時に嫌な方向に能力発揮すんじゃねーよ・・・
返品もできなくて 花も無くて 犯人も居ねぇ
こいつの言う通り、正に無駄足だった。
はあ・・・本当にこれ売っちまうかな・・・
もういい、と吐き捨てて踵を返すと壁際に避難していた他のおっさんらのひとりがボソリと呟いた。
「これだけ大きい街だから他に方法を知ってる人がいるかもしれませんよ。他の花を使ってみたり、まじない師を訪ねたり・・・あと占いとか・・・」
「うらない・・・」
「おお、君賢いねぇ」
うらない・・・
なんか最近どっかでその言葉を聞いたな
・・・・
そうだ・・・
あ~・・・また戻んねぇと・・・
「マジでホント・・・~~ったく、ぁああっ!!」
イラついて言葉にならなくて頭をガシガシ掻きながら会議室を出て行く俺に半分剛毛が「頑張りたまえ」なんて声を掛ける。
「お前の方が頑張れよ! 次俺の視界に入ったら刈るぞ!」
「・・・? "狩る"のイントネーションが違うよ 君地方出身だね」
・・・もういい こいつは無視だ
「くっそ 歩き辛ぇなっ! お前らもいつまでもビビッてねぇで片せっ!」(ガッシャガッシャ)
「「怖ぇぇ・・・、何だあれ・・・」」
「「でも結局テンダラーさんにあの頭はバレなかったな・・・ 危機は去った・・・」」
「「バッカ、緊急事態なのは何も変わってねぇよっ」」
「いやぁ・・・竜巻のような青年だったねぇ・・・ さぁ皆で片付けよう 会議はまだ終わっていないよ。予定が詰まってるんだ これくらいで延期にはしていられない。ほら君、資料が落ちているよ 私が拾っておいてあげるから早くほうきを持って来なさい」
「「・・・・っ!!!! (やっべ しゃがむっ!!!)」」
「ん? 何だね君たち こんな時にまだバイブプレイか」
「「違います」」
テンダラーさん話長過ぎ。
更新を待って頂いてた方(もしいらっしゃったら)すみませんお待たせしました。
次回も更にのんびりお待ち頂けたら幸いでございます(汗)
◆追記でコメントお返事♪
このバカでけぇ街の一番バカでけぇ建物で、すぐ着いたのはいいもののどこから入るのか入り口を探して無駄にグルッと歩いちまった。
適当に中をうろついて偉そうな奴を探してたらでけぇ扉の奥から話し声が聞こえてくる。
鍵が掛かってるらしく押しても開かなくてノックしても返事が無いのでしょうがなく普通に入ったら、
おーおー、いるいる・・・。
真面目そうなおっさんらと、・・・・・変な頭のおっさんが。
・・・ こいつ確か大会ん時ステージの上で仕切ってた司会のおっさんだよな。
なんだ・・・? 頭半分暑いのか・・・
「何だい? 突然入って来て、乱暴だねぇ。 怪我人は居ないか?」
「・・・お前、この中で一番偉そうだな。随分舐めた真似してくれんじゃねぇか」
「何の事だい? ・・・・! そうか・・・ 使ったんだねそれ」
「・・・やっぱ知ってんのか」
俺の後ろに背負ってる瑠璃色の弓を視界に捉えた途端、何かを察したように顔色が変わる。
思った通り、この弓が呪われてるって最初から知ってて大会の優勝賞品にしてやがった。
頭の奥がヂリヂリと熱い。
言葉を続けようと口を開くと半分とっ散らかったその頭が先に声を出した。
「・・・? でも君は何ともなさそうだねぇ。先日大会で見た君のままだ」
「俺んじゃねぇからな」
「という事は別の子が・・・? それは気の毒に・・・」
「ふざけんなこら どういうつもりだ こんな不良品寄越しやがって」
「まぁまぁ、そんな怖い目で見ないでくれ。その弓はここの地下倉庫に保管されていたものでね。見付けた時にそれには気付いていたんだが今年の大会の賞品がどうしても間に合わなくてねぇ。ついやっちゃった」
「やっちゃったじゃねぇよ 解けよ呪い」
「私としても出来る事ならもちろんそうしたいが・・・どうにもややこしい術式らしくて無理だったんだ。だが数多の猛者の頂点に立つ者ならもしや解けるのではと思って出してみたんだが・・・、あんなに断トツに強い君達でもどうにもならなかったのかい。残念だな・・・無理なら期待させないでくれ。」
「自分家から出てきた問題を人任せにすんじゃねぇ んで何でちょっと俺たちが悪いみたいになってんだよ」
耳から大量の毛を生やして真顔で遺憾の意を示されて、言われたこっちも遺憾だよ。
「こんなん使えねぇから返すわ それか他のと交換しろよ何かあんだろこんだけでけぇ街なんだからよ」
「いいのかい手放して。呪われてはいるがそれは確かに幻の弓だ。世界が認める最高傑作なのは確かだよ。弓を扱う者なら一度試すだけでその凄さがよく分かったはずだ。・・・それに君達は弓を手に入れるのが目的であの大会に参加したんじゃなかったかな」
最高傑作? この弓が?
カイトがあの時目玉をキラキラさせてたのはそういう事だったのか・・・
呪いの効果かと思ってた・・・
「誰が呪われた装備品を欲しがるんだよ お前ただ単にこの弓押し付けたいだけだろ」
「そうかもしれないね」
開き直る所か返品を受け付けねぇとかどんなクソ組織だっつの
・・・・でもこの弓、確かにあいつ気に入ってたみてぇだし ・・・・。
・ ・ ・ 面 倒 臭 ぇ
あ、そうだ
「じゃぁいいわ・・・ おい、黒い花寄越せよ あるだろここに」
「ん・・・?」
「大会ん時集めてたあの花だよ どこにある」
「無駄だよ」
「あ゛?」
「どこぞで魔除けの効果がある事を聞いてきたんだろう? なるほど何も考えずにここまで来た訳では無さそうだね」
「・・・・」
「確かにトルティリリアには解呪の効果がある。だがそんな事は旅人の君より我々の方があの花についてよく知っているんだよ。・・・試さなかったと思うかい?」
・・・つまり、その花でも呪いは解けなかったって事か
・・・・ しかし腹立つなこの喋り方・・・
「いいから寄越せ 俺がやる」
「まぁ自分で試した方が納得するだろうね。でも残念な事にあの花の成分は魔物にも効果があるのでね、全て加工して街の周囲に散布済みだ」
「は?」
「だからここはおろかこの街のどこにも一本も残っていないよ」
「はぁあ゛??」
「来年になったらまた咲くからそれまで待つかい?」
「待てるかっ」
「そうか・・・ いやぁ無駄足ご苦労だったね。いらないならどこかの武器屋に売ってきたらどうだい?呪われてはいるが名のある弓だ。それなりに高値で引き取ってくれるだろう。手放して暫くしたら呪いも解けるかもしれないよ」
なんだそれ
な ん だ そ れ
まさか・・・
「・・・・じゃあ、この呪いかけた奴は誰だ 俺がそいつに解かせてやる」
「知るわけないだろう」
「心当たりは? お前らなら山ほどあんだろが」
「あったら既に行動しているよ 我々は綺麗な会社だからね 恨まれるような事はしていない。よって誰がこの呪いをかけたかさっぱり分からないんだ」
まさか・・・
嫌な予感が全部当たる・・・だと・・・
・・・でも正直、そんな気はしてたんだ
昔からそういう「気」がする時は大抵当たる
こんな時に嫌な方向に能力発揮すんじゃねーよ・・・
返品もできなくて 花も無くて 犯人も居ねぇ
こいつの言う通り、正に無駄足だった。
はあ・・・本当にこれ売っちまうかな・・・
もういい、と吐き捨てて踵を返すと壁際に避難していた他のおっさんらのひとりがボソリと呟いた。
「これだけ大きい街だから他に方法を知ってる人がいるかもしれませんよ。他の花を使ってみたり、まじない師を訪ねたり・・・あと占いとか・・・」
「うらない・・・」
「おお、君賢いねぇ」
うらない・・・
なんか最近どっかでその言葉を聞いたな
・・・・
そうだ・・・
あ~・・・また戻んねぇと・・・
「マジでホント・・・~~ったく、ぁああっ!!」
イラついて言葉にならなくて頭をガシガシ掻きながら会議室を出て行く俺に半分剛毛が「頑張りたまえ」なんて声を掛ける。
「お前の方が頑張れよ! 次俺の視界に入ったら刈るぞ!」
「・・・? "狩る"のイントネーションが違うよ 君地方出身だね」
・・・もういい こいつは無視だ
「くっそ 歩き辛ぇなっ! お前らもいつまでもビビッてねぇで片せっ!」(ガッシャガッシャ)
「「怖ぇぇ・・・、何だあれ・・・」」
「「でも結局テンダラーさんにあの頭はバレなかったな・・・ 危機は去った・・・」」
「「バッカ、緊急事態なのは何も変わってねぇよっ」」
「いやぁ・・・竜巻のような青年だったねぇ・・・ さぁ皆で片付けよう 会議はまだ終わっていないよ。予定が詰まってるんだ これくらいで延期にはしていられない。ほら君、資料が落ちているよ 私が拾っておいてあげるから早くほうきを持って来なさい」
「「・・・・っ!!!! (やっべ しゃがむっ!!!)」」
「ん? 何だね君たち こんな時にまだバイブプレイか」
「「違います」」
テンダラーさん話長過ぎ。
更新を待って頂いてた方(もしいらっしゃったら)すみませんお待たせしました。
次回も更にのんびりお待ち頂けたら幸いでございます(汗)
◆追記でコメントお返事♪
◆r様
いつも嬉しいコメントありがとうございます♡お返事遅くなってすんまっせん!
ヅラウイング大活躍ですね~~w
お金一杯持ってそうだから何とかすればいいのに。
きっとお休みが無いんでしょうね☆
次回もまたのんびりお付き合いくださいませませ~~^^
◆c様
いらっさーい♪ありがとうございまっす♡
アースさん器物破損の現行犯で逮捕ですねー。きっと蹴散らすけど♪
腹減りも相まってイライラマックス★煙草の消費も激しいです☆
禿げと言う言葉を使わずにどこまで他の言葉で代用できるかこんな所で挑戦してみました。
結構色々ありましたね♪
ツイッタでもいつもありがとうございます!
なかなかPCが触れない状況に陥ってグルグルモンモンしてる私を癒してくださって本当に感謝です♡
何かお礼を・・・何が欲しいですか・・・戸籍とかですか?
いつも嬉しいコメントありがとうございます♡お返事遅くなってすんまっせん!
ヅラウイング大活躍ですね~~w
お金一杯持ってそうだから何とかすればいいのに。
きっとお休みが無いんでしょうね☆
次回もまたのんびりお付き合いくださいませませ~~^^
◆c様
いらっさーい♪ありがとうございまっす♡
アースさん器物破損の現行犯で逮捕ですねー。きっと蹴散らすけど♪
腹減りも相まってイライラマックス★煙草の消費も激しいです☆
禿げと言う言葉を使わずにどこまで他の言葉で代用できるかこんな所で挑戦してみました。
結構色々ありましたね♪
ツイッタでもいつもありがとうございます!
なかなかPCが触れない状況に陥ってグルグルモンモンしてる私を癒してくださって本当に感謝です♡
何かお礼を・・・何が欲しいですか・・・戸籍とかですか?