【another tender snow】 ⑧ ★
指では届かないその奥まで貫かれて、ラキの体がビクンと大きく跳ね上がる。
開いた口元から声の代わりに熱い吐息と液が漏れた。
「・・・ ・・・ ・・・そんなにしがみつかれたら 動き辛いよラキ」
「あ・・・・ あっあぁ・・・ んゃ・・・ぁ・・・ 待っ・・・ だめ・・・ 動・・・くなぁ・・・」
「・・・中すごいね 熱くて 狭くて 良すぎ・・・っ」
待ってやれるはずもなく、自然に腰が動き出してしまう。
さっきと違ってシンにももう気遣う余裕が残っていない事をラキは身体の奥で感じていた。
やがて促すように少しずつ力を抜いていく。でも恥ずかしいのでシンの胸元に唇を触れる振りをして顔を隠した。
それが合図と察したシンは微かに笑うと根元まで挿れたものをもう一度奥へ押し込んだ。
これ以上深く入らない事をどちらも分かっていたはずなのに、さらに感じてしまうのは何故なのか2人にも理解できなかった。
「んぁっ!! ・・・あっああ・・・ シン・・・っ!」
「ラキ・・・ もっと呼んで・・・ その声で・・・ 」
「あ・・・ あっ・・・ シン・・・ ・・・ あ あ・・・んあぁっ・・・」
「そう・・・ 呼んで・・・ 私の名をラキに・・・ ・・・ 縛り付けて・・・」
「――ぁあ・・・っは・・・ぁ ・・・し・・・ん シン・・・ いい・・・ ぁ・・・そこっ ・・・!」
抜けてしまわないように、腰を出口ぎりぎりまで引かずにその分何度も深く突き続ける。その度にラキの身体が激しく揺さぶられる。
辺りにいやらしい水音が次々と響き渡ったが、それもラキの上げる声がすべてかき消していく。
ラキの頭からはいつの間にか羞恥が消え去りただ純粋に快感を求めるようになっていた。
出来るだけ優しく抱きたいと思いながらも自分を抑える事ができないシンの表情は最初の頃とは全く違い、眉間に力が入り自分でもどうすることもできない苛立ちが見えていた。
「あっ・・・ ああ・・・っ ゃ・・・ばぃ・・・ ぃ・・・ そこばっか突・・・ぃたら・・・ も・・・ ぁあっ!」
「ここ・・・ いい? 中、痙攣してる・・・ ラキは素直だね」
弱い所を何度も突かれて思わずのけぞる顔を右手で覆おうとした瞬間シンにその腕を掴まれる。
ふいにその方向を見てしまい、またあの深紅の瞳と目が合った。
その瞳と自分の腕を掴む力強さに、シンにも限界が近い事が十分感じ取れた。
「シン・・・ 俺もぅ・・・ おかしくなる・・・から あ・・・」
「達っていいよ・・・ 何度だって・・・ 私が・・・達かせてあげるから・・・っ だから・・・」
ラキの腕を掴んだままもう片方の腕で揺れる腰をきつく抱き、シンが一層強く奥深くまで突き上げていく。
「ん、んん・・・ あ! ああ! シン、も・・駄目・・・イ・・・っ ク・・・!
あぁっ んは・・・あっ もっと・・・もっと・・・ そこ 突い・・・ぇ・・ あ・・・ィィ・・・い・・・ あ、ぁああ――っ!!」
「・・・ ラキ・・・ ぁ・・・っ」
ビクビクと収縮するそれに締め上げられ、小さく呻くとシンもラキとほぼ同時に果てた。
信じられない程の快感を与えられたラキは頭も身体も空っぽになると大きく息をして力尽き、そのまま眠りに落ちていった。
シンの首に回していた左腕がゆっくり下りてくる。それをシンの右手が優しく受け止めて口付ける。
肩、首筋、耳、瞼を巡って最後に唇にキスをすると、声を出さずに呟いた。
「出逢った時からずっと・・・・ 愛してる・・・」