文【warm×tendersnow】43
「ん・・・・・ ぁ、アース」
「よお 身体、平気か」
「うん」
気付くと目の前にアースの胸があった。
ベッドに横になって逞しい腕を枕にして、視線を上に向けるとすぐにアースの青い瞳が覗き込んできた。
時計の針はまだ夜中を指している。
灰皿にはたくさんの吸い殻が転がっていた。
ずっと起きてたんだ・・・。
「喉、乾いたんだろお前」
「うん」
「あんだけ喘ぎまくればなぁ」
「・・・・アースは、・・・・・また眠れないのか?」
「・・・・・・・・」
身体を起こしてアースを見下ろしながらゆっくり聞いた。
カイトが乗っていた腕が空いて、サイドチェストに置いてある煙草に手を伸ばすアース。
冷蔵庫から飲み物を取って戻ってくると彼も身体を起こして枕に寄り掛かっていた。
「お前さ、」
「うん」
「あれ、 何か話 聞かせろよ」
「・・・・・・ あぁ、うん、分かった。 久し振りだね」
アースは 昔話や童話、親が子に聞かせるお話、なんていうのを何一つ知らない。
アースが住んでた家には医学の本とか難しい資料しか無かったってずっと前に聞いたことがある。
だから時々、アースが眠れない夜は俺の知ってる昔話を話してあげるんだ。
「今日は何にしようか 『柿次郎』は?」
「聞いたな」
「『銀太郎』は?」
「それも聞いた」
「『うさぎとすっぽん』は?」
「競争するやつだろ?」
「うーん・・・」
いつも寝ながら聞いてるくせに全部の話を一回で覚えてしまうから、まだ一度もしてない話は無いか昔の記憶を引っ張り出してうんうん呻りながら思い出す。
自分の横に座ってペットボトルに顎を乗せて考え込むカイトをじーっと眺めていたアースがポツリと言った。
「お前のは?」
「・・・・・・・えっ?」
「お前の昔話」
「俺の・・・・? 俺の話・・・ ・・・」
「お前が住んでた街の事とか、お前のガキの頃の話とか、今までした事ねぇだろ」
「・・・・そういえばそうだなぁ」
でも 何で急にそんな事を・・・?
いつもは他人の事にあまり関心の無いアースが、今はちょっと違って見える。
昼間、何かあったのかな・・・。
「俺の話なんて面白くないと思うよ?普通すぎて」
「何でもいいから聞かせろよ 普通か普通じゃねぇかは関係ねー」
いきなり話せって言われてもどこから話していいのか・・・
思いついた所から細切れに口に出してみることにした。
「・・・・・俺の街は小さくて、海と山に囲まれてて。 俺は父ちゃんと二人暮らしで・・・、すぐ近くに幼馴染のリアが住んでて、リアの父ちゃんは町長で偉いけど、頑固で加齢臭がするんだって」
「・・・・・・お前の母ちゃんは」
「母親は、いなかったよ。 いつからいないのか分かんないけど。 全然気にならなかったから父ちゃんに聞いた事もなかったなー。 生きてんのかなぁ。」
ぼーっと昔の事を思い出しながら天井を見上げていると横にいるアースが「同じか・・・」と呟いた。
追記でボソボソと独り言
「よお 身体、平気か」
「うん」
気付くと目の前にアースの胸があった。
ベッドに横になって逞しい腕を枕にして、視線を上に向けるとすぐにアースの青い瞳が覗き込んできた。
時計の針はまだ夜中を指している。
灰皿にはたくさんの吸い殻が転がっていた。
ずっと起きてたんだ・・・。
「喉、乾いたんだろお前」
「うん」
「あんだけ喘ぎまくればなぁ」
「・・・・アースは、・・・・・また眠れないのか?」
「・・・・・・・・」
身体を起こしてアースを見下ろしながらゆっくり聞いた。
カイトが乗っていた腕が空いて、サイドチェストに置いてある煙草に手を伸ばすアース。
冷蔵庫から飲み物を取って戻ってくると彼も身体を起こして枕に寄り掛かっていた。
「お前さ、」
「うん」
「あれ、 何か話 聞かせろよ」
「・・・・・・ あぁ、うん、分かった。 久し振りだね」
アースは 昔話や童話、親が子に聞かせるお話、なんていうのを何一つ知らない。
アースが住んでた家には医学の本とか難しい資料しか無かったってずっと前に聞いたことがある。
だから時々、アースが眠れない夜は俺の知ってる昔話を話してあげるんだ。
「今日は何にしようか 『柿次郎』は?」
「聞いたな」
「『銀太郎』は?」
「それも聞いた」
「『うさぎとすっぽん』は?」
「競争するやつだろ?」
「うーん・・・」
いつも寝ながら聞いてるくせに全部の話を一回で覚えてしまうから、まだ一度もしてない話は無いか昔の記憶を引っ張り出してうんうん呻りながら思い出す。
自分の横に座ってペットボトルに顎を乗せて考え込むカイトをじーっと眺めていたアースがポツリと言った。
「お前のは?」
「・・・・・・・えっ?」
「お前の昔話」
「俺の・・・・? 俺の話・・・ ・・・」
「お前が住んでた街の事とか、お前のガキの頃の話とか、今までした事ねぇだろ」
「・・・・そういえばそうだなぁ」
でも 何で急にそんな事を・・・?
いつもは他人の事にあまり関心の無いアースが、今はちょっと違って見える。
昼間、何かあったのかな・・・。
「俺の話なんて面白くないと思うよ?普通すぎて」
「何でもいいから聞かせろよ 普通か普通じゃねぇかは関係ねー」
いきなり話せって言われてもどこから話していいのか・・・
思いついた所から細切れに口に出してみることにした。
「・・・・・俺の街は小さくて、海と山に囲まれてて。 俺は父ちゃんと二人暮らしで・・・、すぐ近くに幼馴染のリアが住んでて、リアの父ちゃんは町長で偉いけど、頑固で加齢臭がするんだって」
「・・・・・・お前の母ちゃんは」
「母親は、いなかったよ。 いつからいないのか分かんないけど。 全然気にならなかったから父ちゃんに聞いた事もなかったなー。 生きてんのかなぁ。」
ぼーっと昔の事を思い出しながら天井を見上げていると横にいるアースが「同じか・・・」と呟いた。
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元気が出ます♡
お話の続きと生きるのを頑張ります。
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追記でボソボソと独り言
やっと5月終わった。
内臓の具合が余り良くない今日この頃いかがお過ごしでしょうかラスボス。です。
くたばっている間、訪問&拍手&ランキング 本当にありがとうございます。
拍手ボタン、今まで投稿したほとんどの記事にポチポチと押して下さった優しい方、どなたでしょうね。
驚きました。嬉しくて泣きそうです。
奴らのお話はやっとここまできました。
次回で1日目終了。
その次の2日目、大会の続きも今まで同様のんびりとお付き合い下さると嬉しいです。
内臓の具合が余り良くない今日この頃いかがお過ごしでしょうかラスボス。です。
くたばっている間、訪問&拍手&ランキング 本当にありがとうございます。
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驚きました。嬉しくて泣きそうです。
奴らのお話はやっとここまできました。
次回で1日目終了。
その次の2日目、大会の続きも今まで同様のんびりとお付き合い下さると嬉しいです。