【another tender snow】 ③
「・・・・・・・。・・・・・シン。」
「はい 目が慣れてきましたか?」
「・・・お前、ずっとそこにいたのか」
「貴方の魅力に囚われて動けませんでした。 やっぱり闇の中で見るラキはいい顔してますねぇ♡」
やっとこの暗さに目が慣れてきたとはいえ、手を伸ばして掴めるほどの距離までが限界だ。
一番最初に見えた景色がシンのアホ面だなんて、最低だな・・・・。
色が白いから目立つってのもあるんだろうが。
「ラキ?」
こいつの顔が見えて少し安心した自分が悔しい。
普段は暑苦しくて鬱陶しくてウザくて邪魔なヤツなのに・・・
何でちょっと嬉しいって思ってしまったんだろう。
10時間も暗闇に居ておかしくなったんかな。 疲れてるしな。
そうだよ、よく見ろよ、シンだぜ? 煩悩が3000個以上ありそうな位変な奴じゃねぇか。
趣味の悪いグラサンして日除けのコート着て 春先に出始める露出狂みたいじゃねぇか。
朝昼晩 あっちの話しかしない奴だぜ?
こんな所に長く居過ぎたせいだ。
頭が勝手に 昔の・・・ こいつと出逢った時の事を思い出しやがる。
うぜぇ・・・
「ラキ 大丈夫ですか。 顔はいいんですけど、色が悪いですね。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「どこか具合が・・・?・・・ラキ?」
「・・・シン お前さ・・・」
「はい 抱っこですか?」
「お前、先に行けよ。」
「またイk・・・」
「マジで、俺平気だからお前出口で待ってろよ。」
「嫌ですけど。」
「あ?」
即答された・・・。 ちょっと意外で驚いた。 少しは考える間とかあるだろ普通。
俺だってこんなに考えてんのに・・・。
「あの時、私はあなたを守ると約束しました。何があってもずっと傍に居ますよ。」
「・・・っ」
「今朝話していた森は、迷いの森とは言ってもラキと私でならきっと抜けられました。旅に出てもう何年にもなるんです。それだけの実力もあったのに、貴方はこちらを選んでくれました。」
「ちげぇよ・・・早く街に着く為だっつの。」
「とても嬉しかったですよ。 ありがとう。」
「違うって・・・ 話聞けや。」
シンはたまに、本当にたまに、純粋に笑うんだ。
普段は憎たらしく笑うくせに、何なんだよこいつ。
いつもこうやって笑えっつーの。
「・・・・・・・・・・・っ。」
あの時と同じ言葉をまた聞かされて、たまにしか見れない笑顔を見せられて・・・。
きっと、苦手な暗闇の中に長時間居たせいで 俺、どっかおかしくなったんだな。
何か 胸が苦しくなった・・・。
「はい 目が慣れてきましたか?」
「・・・お前、ずっとそこにいたのか」
「貴方の魅力に囚われて動けませんでした。 やっぱり闇の中で見るラキはいい顔してますねぇ♡」
やっとこの暗さに目が慣れてきたとはいえ、手を伸ばして掴めるほどの距離までが限界だ。
一番最初に見えた景色がシンのアホ面だなんて、最低だな・・・・。
色が白いから目立つってのもあるんだろうが。
「ラキ?」
こいつの顔が見えて少し安心した自分が悔しい。
普段は暑苦しくて鬱陶しくてウザくて邪魔なヤツなのに・・・
何でちょっと嬉しいって思ってしまったんだろう。
10時間も暗闇に居ておかしくなったんかな。 疲れてるしな。
そうだよ、よく見ろよ、シンだぜ? 煩悩が3000個以上ありそうな位変な奴じゃねぇか。
趣味の悪いグラサンして日除けのコート着て 春先に出始める露出狂みたいじゃねぇか。
朝昼晩 あっちの話しかしない奴だぜ?
こんな所に長く居過ぎたせいだ。
頭が勝手に 昔の・・・ こいつと出逢った時の事を思い出しやがる。
うぜぇ・・・
「ラキ 大丈夫ですか。 顔はいいんですけど、色が悪いですね。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「どこか具合が・・・?・・・ラキ?」
「・・・シン お前さ・・・」
「はい 抱っこですか?」
「お前、先に行けよ。」
「またイk・・・」
「マジで、俺平気だからお前出口で待ってろよ。」
「嫌ですけど。」
「あ?」
即答された・・・。 ちょっと意外で驚いた。 少しは考える間とかあるだろ普通。
俺だってこんなに考えてんのに・・・。
「あの時、私はあなたを守ると約束しました。何があってもずっと傍に居ますよ。」
「・・・っ」
「今朝話していた森は、迷いの森とは言ってもラキと私でならきっと抜けられました。旅に出てもう何年にもなるんです。それだけの実力もあったのに、貴方はこちらを選んでくれました。」
「ちげぇよ・・・早く街に着く為だっつの。」
「とても嬉しかったですよ。 ありがとう。」
「違うって・・・ 話聞けや。」
シンはたまに、本当にたまに、純粋に笑うんだ。
普段は憎たらしく笑うくせに、何なんだよこいつ。
いつもこうやって笑えっつーの。
「・・・・・・・・・・・っ。」
あの時と同じ言葉をまた聞かされて、たまにしか見れない笑顔を見せられて・・・。
きっと、苦手な暗闇の中に長時間居たせいで 俺、どっかおかしくなったんだな。
何か 胸が苦しくなった・・・。