【トイカ】 1
前回のお話【warm × tender snow】のその後のお話です。
「おい これなんかいいんじゃねぇか」
「害獣駆除? これならできそうかも うん俺これにしよかな」
立ち寄った大きな街で開催された大会で、全種目1位を獲得し念願の弓とついでに賞金も手にしたカイトとアース。
その大会から2日経った現在もまだこの街に滞在していた。
次の地へ旅立とうにもその先には大きな川があり、唯一の通行手段の北の橋が先日の嵐で決壊して修理中との事。
増水して流れも速く、船で渡るにはまだ危険という事で足止めをくらっていた。
仕方なく船が再開するまでの間、旅の資金を稼ごうと朝からギルドで依頼を探している。
同様に街から出られない他の冒険者も皆ギルドに詰め寄って広くない建物内がむさ苦しい状況に陥っていた。
周りが体格のいい猛者ばかりでカイトが益々小柄に見える。
おっさんらに囲まれて潰れそうな所をアースがひょいと引っ張り出した。
「ぼさっとすんな」
「・・・あ~ビックリした 依頼書落とすとこだった」
アースがせっかく見つけてくれた依頼書を離すまいとぎゅっと胸に抱え込むカイトの頭を引き寄せて自分のコートの中に収めてやった。
腕の下でふわふわと揺れる金髪がアースの匂いに喜んでいる。
「ばーか」と呟きながら煙草を取り出した。
「それ、新しい弓を試すのに丁度いいんじゃねぇか」
「うん 俺も使ってみたいと思ってた」
「じゃぁお前が請けてこい 受け付けは分かるな?」
「おう」
煙草を咥えてニヤリと笑うと受付まで誘導して背中をポンと押した。
カイトが終わるまでの間、他の依頼を探そうと振り返るとそこにはやはりの例のふたりが立っていて、一瞬でアースの目が死んだ。
「おや、おはようございます。朝から凄い人と熱気ですね」
「ん?・・・よお やっぱ居たか」
「・・・・・・・ お前らもまだこの街にいんのか ・・・・って事はお前らも船待ちか」
「ええ また方向が一緒のようですね」
「おいシンっ 触んな暑苦しいっ」
隣り合う男たちに愛しい人が触られないようにぎゅう・・・と抱き締めるシンと、苦しそうにもがくラキ。
ラキに殴られる度に幸せそうな表情になる一連の様を暫く無表情で見守った。
「よく当たるという占い師に見て頂いたら、私たちが探しているものが北の橋を渡った向こうにあると出たものですから 特に他に行く所も無いので今回はその占いに従ってみようかと思いまして」
「うらないし・・・」
「この街じゃあ結構有名な奴なんだと」
占いなんて胡散臭いものには全く興味が無いので、ふうんと軽く返事をして棚に目を移す。
「暇で他にやる当てもねぇならそういうのもいいんじゃねぇの」
「うわー・・・ 興味無ぇのが一瞬で分かる言動だな」
「ふふ・・・ 人それぞれですよ それでそちらはもう依頼は請けたのですか?」
「カイトが害獣駆除をやる」
「それいいな! ここにも一匹いるぞ でかい害獣が」
「ラキ~ 私は悪さしませんよ? ラキ以外には」
「報酬払えばそいつも狩ってやるぞ」
「縛り上げて街の入口にでも吊るしてやってくれ」
「羞恥プレイですか? それくらいでこの私が興奮するとでも? しますけど。」
◆追記で独り言
と、コメントお返事♫
「おい これなんかいいんじゃねぇか」
「害獣駆除? これならできそうかも うん俺これにしよかな」
立ち寄った大きな街で開催された大会で、全種目1位を獲得し念願の弓とついでに賞金も手にしたカイトとアース。
その大会から2日経った現在もまだこの街に滞在していた。
次の地へ旅立とうにもその先には大きな川があり、唯一の通行手段の北の橋が先日の嵐で決壊して修理中との事。
増水して流れも速く、船で渡るにはまだ危険という事で足止めをくらっていた。
仕方なく船が再開するまでの間、旅の資金を稼ごうと朝からギルドで依頼を探している。
同様に街から出られない他の冒険者も皆ギルドに詰め寄って広くない建物内がむさ苦しい状況に陥っていた。
周りが体格のいい猛者ばかりでカイトが益々小柄に見える。
おっさんらに囲まれて潰れそうな所をアースがひょいと引っ張り出した。
「ぼさっとすんな」
「・・・あ~ビックリした 依頼書落とすとこだった」
アースがせっかく見つけてくれた依頼書を離すまいとぎゅっと胸に抱え込むカイトの頭を引き寄せて自分のコートの中に収めてやった。
腕の下でふわふわと揺れる金髪がアースの匂いに喜んでいる。
「ばーか」と呟きながら煙草を取り出した。
「それ、新しい弓を試すのに丁度いいんじゃねぇか」
「うん 俺も使ってみたいと思ってた」
「じゃぁお前が請けてこい 受け付けは分かるな?」
「おう」
煙草を咥えてニヤリと笑うと受付まで誘導して背中をポンと押した。
カイトが終わるまでの間、他の依頼を探そうと振り返るとそこにはやはりの例のふたりが立っていて、一瞬でアースの目が死んだ。
「おや、おはようございます。朝から凄い人と熱気ですね」
「ん?・・・よお やっぱ居たか」
「・・・・・・・ お前らもまだこの街にいんのか ・・・・って事はお前らも船待ちか」
「ええ また方向が一緒のようですね」
「おいシンっ 触んな暑苦しいっ」
隣り合う男たちに愛しい人が触られないようにぎゅう・・・と抱き締めるシンと、苦しそうにもがくラキ。
ラキに殴られる度に幸せそうな表情になる一連の様を暫く無表情で見守った。
「よく当たるという占い師に見て頂いたら、私たちが探しているものが北の橋を渡った向こうにあると出たものですから 特に他に行く所も無いので今回はその占いに従ってみようかと思いまして」
「うらないし・・・」
「この街じゃあ結構有名な奴なんだと」
占いなんて胡散臭いものには全く興味が無いので、ふうんと軽く返事をして棚に目を移す。
「暇で他にやる当てもねぇならそういうのもいいんじゃねぇの」
「うわー・・・ 興味無ぇのが一瞬で分かる言動だな」
「ふふ・・・ 人それぞれですよ それでそちらはもう依頼は請けたのですか?」
「カイトが害獣駆除をやる」
「それいいな! ここにも一匹いるぞ でかい害獣が」
「ラキ~ 私は悪さしませんよ? ラキ以外には」
「報酬払えばそいつも狩ってやるぞ」
「縛り上げて街の入口にでも吊るしてやってくれ」
「羞恥プレイですか? それくらいでこの私が興奮するとでも? しますけど。」
―――――― ◆ 【トイカ】 2
◆追記で独り言
と、コメントお返事♫
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