アースの告白

いつからなんて覚えてない
数え始めて15回目の手術の夜 俺は家を出た
親父は医者で
俺は息子で
奴は我が子の顔にある模様が気に入らなくて・・・
――・・・ガキの頃の思い出といったら 年中続く痛みと
包帯越しに見える白い世界ばかりだった―――
10日もすると 同じ場所に同じ模様が浮かび上がってくる
そしてまた手術を繰り返される
これ以上 ただ痛いだけの無意味なことはされたくなかった
ていうかもう飽きた
ひとりで生きていく自信もあった
家を出て 世界に出て その後もまぁ色々あったが・・・ めんどいのではしょる
そりゃ大変っちゃー大変だったが
自由ってのはやっぱいい
・・・・・勘がいいのか 風が読めるのか よく分かんねぇけど
何つったらいいんだろな
昔から 何となくそんな『気』がした時は 必ず当たるんだ
あん時もそうだ

何か気になったんだ

だから わざとあそこで寝てた

よく見たらそいつにも 俺と似たような模様があって
でもそいつは それを気にする様子が全然無くて
不思議だった
俺はこんなにも大嫌いなのに
でも何だかその時
俺のこれもひっくるめて 丸ごと全部 「気にしてない」って言われたような気がして
楽になった
そんな気がしたんだ
ほらさっき 昔からそんな『気』がした時は 絶対当たるって言っただろ?
・・・・・・・






~END~
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